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「一夜漬け」の効果と功罪~TAC現役講師の勉強法のすすめ~

税理士試験だけでなく、いろいろと難しい資格の勉強をしていると、

「自分の勉強法は正しいのか」「もっと効率のいい勉強法はないのか」というご相談を受けますが、

答えは一律にして人によります。
これでは答えとして美しくないため、教える仕事の経験則だけはあるわたしのひとつの「効率のいい勉強法」はあることはあります。
学問としてデーターのあるもののため、。

この記事では税理士試験など資格試験でのおすすめの勉強方法を紹介します。

この記事が役に立つひと
・点数の伸びに不満のあるひと
・勉強に行き詰っているひと
・試験本番に不安のあるひと

※TACではなく私個人の見解として掲載しています。

目次

「リハーサル」とは

今回はリハーサル。カタカナで書くとわりとゲシュタルト崩壊しそうな文字面ですよね、「サル」の文字が目立つので笑

今回もいつもどおり、
・このような仕組みがあるので、

・このように試験に落とし込むのはいかがでしょう。
の流れでいきます。

まずは学問的な話から

一般的にいう演劇とかのリハーサルと同じ語源だと思いますが、認知心理学でも「短期記憶の忘却を防いだり、長期記憶に転送したりするために、記憶すべき項目を反復すること」という説明がされています。

実は用語の説明としてまだ詳細まで入れていないのですが、
「短期記憶」は学問上の意味の範囲としては「長くても10分くらいしか持たない記憶」で、その
限界は平均して「7±2」セットです。
初見の数字の並びなどを気合で覚えようとしても、頭は平均して「7±2」個の数字、ケタとしては4桁がくらい限界とのことです。

みなさんも予備校の会員番号やカラオケのコード(最近はコード入力自体あまりないですよね、そういえば)など、4桁+3桁+3桁みたいな感じで覚えてません?笑
あんな感じのイメージです。

一夜漬けの「明日に持ち込んですぐに忘れる情報」もわりと「短期記憶」と表現されますが、実はあれは認知心理学では「長期記憶」に転送できた情報です。
一夜漬けした次の日に覚えている情報はいわば
「忘却曲線」にならって、大部分忘れて残ったかけらの部分です。

※2020.12.5 追記 お詫びと訂正
「エビングハウスの忘却曲線のグラフ」を「単なる忘れる量」と誤認して表記していました。
詳細な%の記載は誤りだったため訂正してお詫びいたします。すみません。

どのくらい忘れやすいんですかね?

一夜漬けの内容自体はほんとにすぐに忘れてしまいます。
以下でその要素を説明します。

※リハーサルの種類

ざっくり目を通しただろう部分に「リハーサル」の分類と種類とがあって、もう一回分けながら説明すると、

①短期記憶の忘却を防いだり、
②長期記憶に転送したり

するために、記憶すべき項目を反復すること
です。

 

リハーサルもその機能にあわせて種類が分かれていて、

まず、
①短期記憶の忘却を防ぐリハーサル
「維持リハーサル」といって、これは英単語などを文脈など気にせずひたすらそれ自体を反復するタイプのリハーサルです。

そして、
②長期記憶に転送するためのリハーサル
「精緻化(せいちか)リハーサル」といいます。
これは英単語を覚える際にその単語が入った文章ごとの反復や、語呂合わせを使った覚え方を反復するタイプのリハーサルです。

ということは、

・前日までに精緻化リハーサルまで十分に済んで長期記憶化しかけていた情報

・直前10分ほどに維持リハーサルを使って気合で叩き込んだ7±2の情報

そのうち、試験本番で「出てこなかった部分(=試験本番時間で精緻化リハーサルの機会がなかった情報)」を基本的にぜーんぶ忘れてしまっています!

この仕組みをすこし意識するなら…

試験への落とし込み

今回も説明が長くなったので結論からいきます。
◆前日夜からこれ以外しないという意味ではなく、それぞれの情報にあわせたタイミングはこの辺りではないでしょうか。という考察です。

無駄にカッコつけた言い方すると「忘却曲線」にならった「分散学習」による「リハーサル」の最大効果みたいな笑。ふざけてないでまとめます


①前日夜は「しっかり覚えている部分(=すでに知識化している部分)と関連性が強い、しかし、出題可能性が低いためうろ覚えの情報」を照らし合わせて精緻化リハーサルします。

②翌日起きて①の情報をおさらい。
※前日の精緻化リハーサルで長期記憶化しかけた情報をさらにリハーサルで長期記憶にして、当日は覚えている状態にするのが目的。

③しばらく後「とりあえず気合で覚えなきゃいけない単語や数字」維持リハーサル
※個数は余裕をもって5個くらいが限界だと割り切る。理由は④※。

④直前の直前にを最後に維持リハーサル
②のやっぱり忘れていたもの2つくらい③の気合でもっていく5個くらいで、あわせて7つ。のイメージ。


こんな感じでぎりぎりまで詰めるのはいかがでしょうか。あくまでもひとつの参考程度ですが、
以下↓の情報とあわせてわたしも実践していた覚えがあります。

※おまけ~リハーサルの強化と経験談~

リハーサルは五感のうち主に「視覚」「聴覚」とに関連している作業ですが、どうやら実験結果として「聴覚」の配分が大きいとのことです。

わたしは普段は予備校の自習室で勉強していましたが、試験前泊派だったため、前日の夜だけは睡眠2時間前くらいから、ベッドに横になったまま、ひたすらいまいち暗記しきれていない理論の「暗唱」をしていました「○○あー、ちがうか、○○」とか言いながら…独り言を誰かに聞かれることもなかったので笑

朝起きてもう一回暗唱しなおすと、意外といい感じでした。


方法は全然ほかにもあると思いますが、
ただがむしゃらに「覚えるだけ」の一夜漬けよりは、意味や意図のあるのもになるのではないでしょうか。
せっかく直前まで頑張るのであれば、自分の中で納得できる形を!!

おわりに

相模原市中央区の税理士・ファイナンシャルプランナー梨井俊税理士事務所では、
税理士試験受験生・会計事務所勤務の方向けの情報発信媒体として有益な情報を更新していきたいと思います。
税理士としての新しい働き方も常に模索中です。

ともに成長していければと思っています。
ここまでお目通しくださり、ありがとうございます。

梨井俊税理士事務所

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