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税理士試験情報

令和3年 税理士試験 相続税法 ざっくりした解答速報

※わたし個人の見解です。

Ⅰ 理論

 …昨年と同様「2問とも事例形式」といった問題になっています。答案用紙の枚数が少なかったため、時間配分をまず50分くらいで考えつつも、どのくらい早いタイミングで計算に移れたかもひとつのポイントになったかと感じます。

 (1)ひとつめは「住所と課税価格」

  ・住所は「生活の本拠」この5文字があればアドバンテージです。

  ・課税価格については、まず「3,500万円」という表記。次に重要度の高い部分から

   「①贈与ごとに課税かどうかのあてはめ」

  →「②贈与税の課税価格」

  →「③課税財産の範囲と①の説明に併せた納税義務者の意義」。

 また①に「財産の所在(国内財産か国外財産か)」についての説明があると最高にアドバンテージです。


全体の受験生の動きとしては「納税義務者の理論ベた書き」になりそう(やや出題意図からははずれる)なので、ここで「時間を使いすぎていないか」が重要かと思います。


 (2)ふたつめが「持分の定めのない法人」について

  ・まずは「持分の定めのない法人から受ける特別の利益に対する個人間のみなし贈与」の規定と「法人を個人とみなす」規定との両方を場合にわけて(AとCとの関係性による)記載できているのか。「法人を個人とみなす」規定の方は書けている人半々くらいだろうという印象です。

趣旨は「法人格をつかった課税逃れの防止の観点から実態に基づく課税の公平性を担保」といった感じ。それぞれ「誰から」「誰へ」「いくら」の記載があればアドバンテージです。

  ・枚数的にこれで十分ですが意図として「B法人からCに対する低額譲受益による経済的利益が生じているが法人からの贈与は非課税である」旨の記載があればより強いのかなと感じます。


なによりもこれらを「答案用紙4枚でどれだけ素早く記載できるか」がひとつの勝負です。計算がめちゃくちゃ大変だったので!!



Ⅱ 計算

 …昔の本試験に近い難しさで「最初の宅地の資料がめちゃくちゃ難しくて時間がかかる」問題でした。

逆に言うとこの「最初の宅地の資料(一部に配偶者居住権の設定された不動産の評価) “ 以外 ” 」を時間内に答案用紙に反映させることができたかが重要と感じました。

それ以外にも十分解答の割れそうなの論点がちりばめられていたため、

 ・縁組前出生

 ・貸付の用に供する建物を一部使用貸借している場合

 ・引き算方式の不整形地

 ・株式の負担付贈与

 ・人格のない社団に対する生前贈与加算と贈与税額控除

このあたりの正解率が分かれ目になるかなと感じます。


各々の論点で満足のいく回答は難しいかもしれませんが、相対試験なので全体120分としては、これの6割超あたりがボーダー(6割いくかいかないかくらいが平均)、7割超えていれば確実に近いと感じます。


まずはほんとうにおつかれさまでした!!


梨井俊
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