税理士の仕事内容。税理士なのにコンサルなんてしなきゃダメなの!?
この記事では税理士であるからこそできる経営相談についてTAC現役講師の私の経験談をお伝えします。
※TACではなく個人の見解として掲載しています。
目次
税理士の独占業務
はじめに、税理士の独占業務は、税理士法 第2条第1項第1号~3号により、「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」とされています。
※この辺は導入なのでざっくり読んでいただければと思います笑
・税務の代理
「税務」は、税務署に税金を申告して納付することや、税務署から調査や処分を受けたときに主張や陳述を行うことをいいます。
本来は納税者本人がやることになっているこの税務を代理・代行すること
・税務書類の作成
税務書類とは、税務署に税金を申告する際に作成する書類のことです。確定申告の場合であれば、確定申告書などが税務書類にあたります。
この税務書類を、納税者に代わって作成すること
・税務相談
税務署への税金の申告、および税務署から調査や処分を受けたときの主張や陳述などの税務について、
納税者からの相談に応じること
無償独占 ※ここから本題です
これら税理士の独占業務は「無償独占」のカテゴリーをもらっていて「税理士登録者以外はたとえお金をもらっていなかったとしてもこれらの行為をできない」ということになっています。
具体的には、納税額の計算方法や納税のための手続き方法、節税効果の表示や税務調査の対応です。
このため、いわゆる「コンサル業」の中で税理士が新たなサービスを展開している傾向が見られます。
※余談ですが…
「コンサル」という言葉は、いま税理士業界に20年以上いらっしゃる方はわりと嫌いです(笑)
純粋に10年ほど前にIT業に注目が集まったころカタカナ語が流行りました。そのころから税理士業界にも「電子申告の推奨」などIT化の波が押し寄せ、このタイミングでいろいろと苦労した先生方もいらっしゃるのがその背景かと想像します。
コンサルとはいわずに…
「コンサル」という言葉でわざわざ表現するから、語弊や抵抗があるのかもしれません。
「コンサルト=相談」です。
「税務相談」は昔から行っている業務ですし、以前から多くの先生が行っている「月次顧問」「定期訪問」も内容的には「コンサル」です。
税理士自体はただの「申告屋」「計算屋」でない限り、以前から「コンサル」をしています!!
※あえて違いを提示するのであれば、税理士の方から能動的にお客さんに提案やら資金繰りやらのお話をするのは以前からの税理士業務の「月次顧問・定期訪問」とは、少し毛色が違うのかもしれません。
「税理士ができるコンサル=経営相談」って?
はじめに紹介した「税務相談」の無償独占業務を個人事業や会社経営の資金繰りの中に入れて総合的に数字で説明すれば、それはもう税理士のコンサルです。
税理士だけのコンサルです。
一例を言うと「会社の損金」である役員報酬は「個人の給与所得」ですし、これには「法人税」も「所得税」も「住民税」も、事業を継続していくと「消費税」「相続税」。
もっというと「健康保険・国民健康保険」「厚生年金・国民年金」などの知識も必要です。
・この資金繰りで車のローンは何年なら無理がないか。
・生命保険などは会社で入るのか。個人で組むのか。
・小規模企業共済等には入った方が良いのか。
・ふるさと納税はしたいのか。
これらを総合的に勘案し、「もっとも社長にとって良い」提案は、詳しく数字を出そうとすればするほど税理士の「税務相談」がかかわってきます。税金「支出」ですから!!
「もっとも安い」のではなく「もっとも良い」もの。
・「税金は安いけど、お金は残らない」
・「支出は減るけどめちゃくちゃ面倒」
これではお客さんのためにはなりませんし、満足いただけません。
※いわゆる資産税においても『 「相続」した土地を「譲渡」するにあたって「抵当権」がついていたのだけど「誰に(どの士業に)」「何を」お願いするの? 』みたいな感じです。
おまけ:参考までに
これは、まだ個人事業であったお客さんの法人化の可能性について、税務その他の資金繰りを想定したものです。
これと個人事業のまま継続した場合の3年間ほどの資金繰りと、そのほかの事務負担等のシミュレーションをしました。
会社設立の諸経費も、切替年の事業税も、保険年金も、役所の所得制限も。
これらを詳細に数字で提示して、ちゃんと説明できるのは税理士くらいです!!
(※無償独占なので)
私もまだまだ勉強中ですが、この資料を基にお話したお客さんには本当に満足いただけたはずです。
おそらく、ちょっとしたことでは税理士を変えたりはされません。
これらの実務の全体像把握やお客さんとの話し方の参考におすすめです。『複眼的視点を養おう!税理士が身につけるべきコーディネート力』
開業前からスタンスを身に着けるうえでおすすめです。『税理士事務所スタッフが社長と話せるようになる本』
おわりに
相模原市中央区の税理士・ファイナンシャルプランナー梨井俊税理士事務所では、
税理士試験受験生・会計事務所勤務の方向けの情報発信媒体として有益な情報を更新していきたいと思います。
税理士としての新しい働き方も常に模索中です。
ともに成長していければと思っています。
ここまでお目通しくださり、ありがとうございます。
梨井俊税理士事務所
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