Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//拝啓:税金で得したい皆様へ ~税理士無料相談の前に~

お知らせ

拝啓:税金で得したい皆様へ ~税理士無料相談の前に~

 

攻撃的な題名からの投稿失礼します。

私は業界としては、とりわけ相模原の開業税理士としては若い方で、いわば若輩者です。

若輩者の私ですが、お客さんだけでなく相模原の税理士先生方みなさまの助力も得て、なんとか事務所経営をやっていけている毎日です。

 

私も複数回、支部の無料相談に参加し、広く一般納税者のみなさんの疑問点等を微力ながら解決に向かわせる一助を担わせていただいております。

そんななか出くわす、少し困った事情と、一般納税者の方が税理士無料相談をより有効的に、かつ、友好的に(笑)使えるように、お話したいことがあります。

目次

市役所などの無料相談の仕組み

税理士登録をすると、事務所所在地や勤務地の地域の税理士会に入会するのですが、

私は東京地方税理士会相模原支部の所属になります。


支部は運営目的のひとつとして、税理士の社会的使命を全うするため、

広く一般納税者向きの「無料相談」や「委託研修」を行っています。

税金で得する 税金が儲かる

税金で得をする
税金が儲かる

この発言や意図を含んだ相談は十中八区、われわれにはご法度です。
その意図があるとしても、隠し通したうえで、うまく求める情報を引き出してください。

というのも、われわれ専門家は多かれ少なかれ社会貢献意識をもって無料相談等の席を設けているものの、よほど人間的にできた方でない限り、「むやみに儲け話に加担される」のは非常に嫌います(これは私がまだ若い、というか青いから思ってしまうことかもしれませんが…)。

よくあるご相談

とりわけ無料相談等で最近持ち合いに出されるのが贈与税ですが、贈与税はそれこそ「タダでもらったお金(財産・利益)にかかる税金です」。
贈与税は税率も高く課税ラインも低く設定されているため、この贈与税の特例のご相談が非常に多く、具体的には「住宅取得等資金の非課税」「結婚子育て資金の一括贈与」などです。

とりわけ「住宅取得等資金の非課税」についてのご相談は多いものの、この規定は要件も手続も複雑で、簡単に単純に「税理士に30分や1時間話を聞いただけでどうにかなる」
ものでもなく、われわれ専門家の側としても言葉のやり取りだけで適用の有無まで判断できない(少なくとも「したくない」)大変な制度です。

残念な結末

申し訳ない話ですが、同様の相談事例で強引に適用の言質を求められ、

「そもそも税金払いたくなければもらわなきゃいいだけの話ですよ」と何度も言ってしまっている経験があります。
税理士の税務相談は無償独占(たとえタダであっても税理士しかできない)業務であり、
その業務には法律上責任を伴うため、また、儲け話は脱税相談と裏表な部分もあります。

先の例でいうと贈与税の相談は9割がた「もらう側」が相談に来ます。
「親からもらう」
「母から息子に使ってほしい」
というケースがほとんどです。
そもそもですが贈与税率が高い理由はすこし暴力的な表現ですが、「もらう時点で儲けているから」です。
その上で税制上の優遇措置まで受けるのであれば、その要件や手続は面倒であること、ある意味当然です。

結果、この手のご相談は「みなさん納税者とわれわれ税理士とどちらにとっても嬉しくない関係」になってしまうことが多いです。

無料相談の前に準備いただきたいこと

ではどうすれば上手に情報引き出せるか
なのですが、おおむね以下のパターンはこちらとしても助かります。

①自分である程度調べてください。

「聞いたことがある」程度ではなく「この部分が引っかかる」でご質問ください。
短時間でわれわれも「できる」「できない」「わからない」「その情報だけでは答えられない」等対応できます。

よく「見たけどわからないけどできるでしょ?」「よくわからないから私が得する方法を教えて」との質問をいただきます。

「見たけどわからないけどできるでしょ?」→なぜそう思うのでしょう(悲)

「よくわからないから私が得する方法を教えて」→「得する」のであれば、それは有料相談事由です。

②ほかに関係者がいるのであればそちらとの話を合わせてください。

住宅税制であれば金融機関やハウスメーカー。事業取引であれば取引の相手方。贈与であればもらう側とあげる側。
税法は民法に由来する部分が多いです。民法は行為者の意思(あなたがどう思っているのか・常識的にどう見えるのか)を重要視します。
「する」「しない」「売る・買う・貸す・借りる・あげる・もらう」の認識がズレていれば、それはそもそも税金「以外」の部分のリスクが大きいです。

あなたが思っていること・考えていることは、少なくとも相手方にとってもまかり通る内容なのかどうかは先に聞いておいていただければ話が早いです。

③税金を納める事実からは目を背けないでください

それこそ納税は義務です。法律に基づいて納税の義務が出るのであれば、そこで本来話は終わりです。

ここに納得できないのであれば有料相談です。
各専門家の無料相談をぐるぐる回っている間に、手遅れになる前に、さっさと信頼できる専門家にお金を払って対処するのが長い目で見ると「いちばん良い」です。

④「無料」や「タダ」にこだわらないでください。

「このような方法であれば税金はかかりません。」
があったとしても、そのためにかかる時間と税理士・弁護士・司法書士・行政書士・いわゆるコンサル屋に支払う報酬を考えたら
さっさと税金納めた方がいいことはたくさんあります。
グレーな方法を使いたければ使いたいほど、それ以外の部分で時間もお金もかかります。

おわりに

これらのスタンスを持っていただければ、われわれもできる限りのお手伝いはしたいと思います。
税理士無料相談は主催の違いで何種類かありますが、基本的にはひとつの案件一定の期間に一回きりです。
上手に使って、お互い良い関係を作っていきましょう。

「無料」相談内容についてのよくある質問とテンプレートの回答もよかったらご覧ください。

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧